はり・きゅう治療

私達の脳内には脳内オピオイド(βエンドルフィン)と言われる鎮痛・鎮静物質が内在しています。

脳内麻薬とも言われ、なんとモルヒネの6.6倍以上の鎮痛効果があるとされています。通常は痛みやストレス時に放出され鎮痛・鎮静作用として働きますが、ストレス状態がつづいてしまうと脳内オピオイドの放出が低下してしまうことが明らかになっています。
 

つまり本来ならば感じない痛みや我慢できる痛みの程度に対して鎮痛作用の機能低下のため耐えられない痛みとして感じてしまったり鎮静作用の低下により不眠などを引き起こす原因となります。これは現在の心理・社会的因子によるストレス性と言われている腰痛症と深く係わりあると考えられます。


この様なストレスでオピオイドの放出が低下した痛みに対しても針治療は効果を発揮します。それは針治療することで脳内オピオイドの分泌が促されることが数々の研究によって明らかになっているからです。またオピオイドには強い鎮痛・鎮静作用のほか、抗ストレス作用(多幸感)・免疫増強作用(抗がん作用)があるとされています。

 

痛みの疾患は勿論、ストレス性疾患・自律神経の緊張緩和や現在いわれている心理・社会的因子によるストレス性の痛みに対する治療にはまさに針灸治療は最も適した治療法ではないかと思われます。


この様なストレスに対する治療法は医療機関では安定剤や抗うつ剤の服用となり副作用や薬の依存性などが問題となりますが、それに対して針灸治療は身体にとって、とても優しい治療法です。医療機関で原因不明やストレス性と言われた方も一度、鍼灸治療をお試しになられてみては如何でしょうか。

針と灸は、症状にもよりますが一緒に治療することで最大限の効果を発揮することができますが、しかし灸治療ならではの効果もあるのです。代表的なものにヒストトキシンによる免疫活性作用です。
 

灸治療を施すと皮膚に極微少ながら火傷(やけど)をします。その時の火傷によりタンパクの熱変性により異種タンパク質のヒストトキシンが産生されます。
 

ヒストトキシンは身体にとってはなんと毒性のある物質なのです。「毒なら身体に良くないのでは？」と思うかもしれまが、しかし、全く心配ありません。


もちろん多く有りすぎれば毒にもなりますが、灸治療の極微少な火傷ですとヒストトキシンにより免疫機能が活性化し病気に対する抵抗力や免疫力を高める効果があるのです。


これは灸ならではの微妙な熱量調整ができるからやれることなのです。薬もサジ加減と言われる様に毒にも薬にもなりますよね。お灸の場合は熱加減という事です。


またヒストトキシンには催眠作用もあり睡眠障害や自律神経の緊張を緩和にも効果を発揮します。薬で言えば安定剤的な効果があるということです。